2つの正義があるということ。
こんにちは、サチヲです。
今回は『おクジラさま 2つの正義の物語 佐々木芽生 著』を読ませていただきました。
この本は、日本の伝統である『捕鯨』と、それを反対する『反捕鯨』との歴史を紡いでいます。
何が良いかというと、「おまえが間違ってる!」とかを言い合うのではなく、両方とも正義として考えているという視点ということを知って読んでみたいとなりました。
『もののけ姫』を観た人なら伝わると思いますが、アシタカの立場、タタラ場の立場、森の立場、それぞれの正義がある…あの感じです。
とはいえ、現実は『声を大きくあげた』方が強いというか…正義になるんですよね。
酷いものですが、それも1つの事象ですよね。
そして、つくづく。
本当につくづく情報なんてものは発信した人の『都合』であるんだと実感します。
それが、100%真実である必要はないのであろう。と思えるくらいに。
めちゃくちゃ難しいと思うし、自分も寄ってしまう場合もあるし、実際どうすれば良いか分かりません。
でも、情報を発信する時そこに立った場所をもう一度見回せる自分でありたいと思います。
その情報の意図を考えたい。
ほぼ必ずと言っていいほど、その情报によって『徳をする人』『損をする人』が存在するから。
…水俣病患者と家族が苦しみを訴えるモノクロの映像が続いて映り、「日本政府とチッソ(新日本窒素肥料)は、12年間にわたって水銀と水俣病の関連性を隠蔽した」と語られる…
…そして、イルカの水銀汚染も同様に政府が隠蔽し、結果として同じような問題が起きるだろうと示唆する…
とある。
本当に。
アメリカ人は本当に『ヒーロー』がみんな好きなんだと思う。
悪い政府に、犠牲となっている住民。それを救う正義の味方。
この反捕鯨の映画自体、「調査」という名目で「違法に」捕獲する日本の捕鯨船は『悪』と描かれています。
それに「命がけで立ち向かう」シーシェパードのリーダー、ポール・ワトソンと彼の仲間たちは『善』として描かれている。
もちろん、この映画の内容は事実とのズレや、学校給食で出されたのがクジラ肉なのに『イルカ』とされていたりと、情報を湾曲した演出は『エンターテイメント』として制作されたものとして観れば良いと思います。
しかし、これがノンフィクションでありドキュメンタリーとして放映しているから問題なんですよね。
日本政府として事実と歴史と伝統の説明を、もっと世界にアピールしなくてはならないのにと切に願います。
んー、でもこの映画。アカデミー賞まで取ったんですよね。もう完全なるエンターテイメントとして目くじら立てないで観るべきなのかなぁ。
いや、アカデミー賞まで取ったからこそアピールを忘れてはいけないと思います。
その、いわゆる慰安婦にしかり、戦争史観にしかり、どーにもこーにも、他の国と比べて発信力に関しては弱いと言わざるを得ないですよね。
私だって、この本を読んでやっとですよ。
それでも、このようなことに割り切って楽しむことはできないです。
ささやかな力として、この本を手に取ること。映画を観ること。自分が史実を理解すること。そして、身近な人に伝えることをしても良いのかなと思いました。
この世の中、社会貢献は色々あると思いますが、先ず、1番にすることは自分が一生懸命に生きることですよね。
ではまた。